ご家庭で手作りするお菓子やケーキの中でも、シフォンケーキはふわふわしながらもしっとりとした柔らかい食感が人気のケーキです。大人から子供まで好まれる優しい味わいが楽しめます。
カップケーキやパウンドケーキなどの焼き菓子と同じように、自分の好みに合わせて手作りする方も多いのではないでしょうか。ただシフォンケーキは実際に作ってみると、思った通りに生地が膨らまなかったり、焼成後に生地がしぼんでしまったりと上手くいかない事があります。
今回のブログでは、シフォンケーキの失敗例としてよくある『膨らまない』『しぼむ』原因と解決方法について解説します。ポイントを抑えることで見た目も食感も上手にできるはずですので、参考にしてみてくださいね。
シフォンケーキの生地が膨らまない原因
シフォンケーキの生地が膨らまない主な原因は下記の2つです。
- メレンゲの泡立て不足
- 生地の混ぜすぎや混ぜ方がよくない
シフォンケーキが膨らみはメレンゲの力によるものなので、このメレンゲを作る際にしっかりと泡立てれてなかったり、メレンゲの気泡を潰してしまうと膨らむ力が弱まってしまいます。その為「シフォンケーキが膨らまない」と思った時は、まずメレンゲの作り方を見直しましょう。
生地が膨らまない2つの原因
シフォンケーキが焼き上がった後に生地がしぼんでしまう現象を「焼き縮み」と言います。焼き上がった直後に綺麗に膨らんでいても時間がたつことによってしぼんでしまう場合があります。とてもショックですよね…
この「焼き縮み」は、作る工程の違いや冷まし方によっておこります。シフォンケーキ作りに慣れていない方にとってよくある失敗ですが、原因を把握しておくことで解消することができます。
作る工程に原因がある場合
メレンゲは卵白と砂糖をハンドミキサーで混ぜて作りますが、この時に砂糖の量(配分)を少なく調整する方がいます。これはダイエットや健康を考えての事ですが、砂糖を必要以上に減らしてしまうことによってメレンゲの気泡を潰してしまう原因になります。
【メレンゲ作りのポイント】
- 砂糖を数回に分けて入れて混ぜる
- 冷たい卵白を使用する
- ツノが立ったら混ぜるのをストップする
焼き方に原因がある場合
シフォンケーキの型はアルミや紙型のものがありますが、たまにしかシフォンケーキを作らない方にオススメなのは紙型のものです。紙型は熱伝導率がアルミに比べると弱くなってしまいますが、型から外したりお手入れの手間が少なくてすむというメリットがあります。
紙型を使用して上手く膨らまない時は、下記のような原因が考えられます。
- 生地がちゃんと型に張り付いていない
- 焼成不足
シフォンケーキの生地は、紙型に張り付いて固定された状態で膨らみます。しっかりと生地が紙型に張り付かないと、焼き縮みの原因になります。また、生地を流し込んだ後に型を回すことで気泡が抜けやすくなり、綺麗に膨らみ断面も美しくなります。
焼成不足の場合、表面は焼けてるように見えても中身が生焼けで水分の重みで生地が沈んでしまい、焼き縮みしてしまいます。これは、オーブンの火力が強すぎる場合に起こりがちです。生焼けだけでなく、表面だけが先に焼けて固まってしまい膨らみを邪魔してしまいます。
レシピ通りの温度に設定していても、ご家庭のオーブンのクセによって変わる場合がありますので、オーブン用温度計を使ったり、生焼けが続く場合は温度を少し低く設定して調整できると良いでしょう。また、焼き上がった後に冷ますのは、必ず逆さにして置いておくようにしましょう。
原因例:底上げ
底上げとは、底部分に空洞ができてしまう状態のことです。焼成中はもちろん焼き上がった後も気づきにくく、紙型から外した時に初めて気づくことが出来ます。底上げの原因には様々なことがありますが、主に以下のようなことが考えられます。
生地が乳化していない
生地と液体油脂の混ぜ方が足りない場合、生地が乳化せず型に張り付かない状態になってしまいます。この場合、しっかりと混ぜて乳化させるのがポイントです。
型に流し込んだ生地に気泡が入っている
出来上がった生地は、高い位置から型に流し込んでしまうと気泡が入ってしまいます。この気泡が空洞の原因になることもあります。
焼成の温度や時間が適切ではない
焼く時のオープンの温度や時間が適切でない場合、熱が底部分まで伝わらずに中身が生焼けになる可能性があります。オープンの温度は高すぎても低すぎても上手く焼けませんので、適切な温度を設定しましょう。
原因例:焼き詰まり
「焼き詰まり」は、生地の目が詰まって固くなってしまう状態のことです。この焼き詰まりは材料の分量に原因がある場合があります。
水分量に原因がある場合
生地中の水分量が多い場合、焼いている間に潰れてしまうことあります。例えばアレンジを行う際に、他の水分を含んだ材料を入れた場合は特に注意が必要です。水分が多い場合は、牛乳の量を少なくするなど、ちょうど良い硬さに調整する必要があります。
生地量に原因がある場合
型に入れる生地の量が多すぎる場合、重力の関係でしぼみやすくなり、焼き詰まりの原因になってしまいます。型に入れる生地量の目安は8分目程度がオススメです。そうする事でシフォンケーキの生地が型を支えにして膨み、綺麗な仕上がりになります。
焼成温度
オーブンの温度は高すぎても低すぎてもいけません。低すぎると生地が膨らまなかったり、高すぎると膨らみすぎることがあり、焼き詰まりをおこしてしまいます。またどちらの場合も生焼けになる可能性もあります。参考にするレシピの温度や時間は大切ですが、自宅のオープンのクセによって調整が必要になりますので、レシピにこだわり過ぎる必要はありません。
紙型でシフォンケーキを上手に焼いてみる
シフォンケーキの方はアルミ型や紙型がありますが、下記のような方にとっては紙型がオススメです。
こんな方に紙型がオススメ
- 試しに作ろうと思っている方
- たまにしか作らない方
- プレゼントやお土産用に作る方
- お手入れなどが面倒な方
紙型でシフォンケーキを上手に焼くコツ
便利な紙型ですが、膨らまない、しぼむなどのトラブルが起きる可能性がありますので、ポイントおさえて作ることで、ふわふわしっとりのシフォンケーキが出来上がります。
・メレンゲはしっかりとツノが立つまで泡立てます
シフォンケーキの膨らみを左右する一番の要因は『メレンゲ』です。状態の良いメレンゲに仕上げるには時間・根気が必要ですが、しっかりと綺麗に膨らむシフォンケーキのために丁寧に行いましょう。
・型の内側にバターや油は塗らない
シフォンケーキは生地が型に張り付いて固定された状態で膨らみます。バターや油を塗ることで張り付きにくくなってしまいます。
・オーブンは予熱しておく
適切な温度と時間で焼くために、シフォンケーキを焼く前にしっかりとオーブンを予熱しておきましょう。予熱せずに焼いてしまうと、生焼けによる焼き縮みや底上げといったトラブルが発生してしまいます。
・生焼けになっていないか確認する
焼き上がった後に竹串を指し確認することで、生地に熱が通っているか確認できます。竹串に生の生地がついてくる場合は、再度オーブンに入れて生焼けを解消します。
まとめ
シフォンケーキは、カップケーキやパウンドケーキと並んで、ご家庭で手作りする人気のケーキです。シンプルな材料で作ることが出来ますが、しっかりと膨らんだシフォンケーキを作るには、工程や焼き方の調整などを丁寧に行う必要があります。
参考にするレシピ通りに作っても、卵白の量(卵の大きさなど)や生地の状態で膨らみ方が変わります。焼く場合もご家庭のオーブンによって多少の調整が必要になります。
シフォンケーキが上手く膨らまないと思った時は、材料・作る工程・焼き方などチェックしながら行いましょう。そうする事で、ふわふわと柔らかくしっとりしたシフォンケーキが出来上がります。